ふと鏡を見たら、しこりのように固く腫れた吹き出物がポツンと顔に…。ニキビのような芯は見えないけれど何だか目立つし触ると痛いという、いわゆる「しこりニキビ」に悩まされる人は多いようです。ヘタに触ると悪化してしまうし、かといって薬をつけてもなかなか治らないという厄介なニキビ。鏡を見るたびに憂うつになりますが、まずは原因を知り、きちんとケアすることを心がけていきましょう!

しこりニキビの正体は?

しこりニキビは、文字通り「手で触れると固い、しこりのようなニキビ」です。下あごや首にできやすいニキビですが、おでこ、鼻の頭や小鼻、頬骨のあたり、背中など、ニキビができる場所ならどこにでもできる可能性があります。むずがゆさや触れると痛みを感じるのが特徴です。

しこりニキビは、皮膚の奥の方に膿がたまって炎症を起こしている状態。そのため、触ると痛みを感じるというわけです。皮膚の中に埋もれているニキビと言ったらイメージしやすいでしょうか。炎症が悪化すると、赤く腫れたような状態になってしまうこともあります。さらにひどくなると膿の中に血液が混ざり、紫がかったような色になることも…。

ニキビの芯も中の方にあるため、鏡で見てもそれらしきものは見つけることができません。ニキビを治す手立てのひとつが「芯を出すこと」ですが、芯が見えないということは、治りにくいということでもあります。また、治ったように見えても中に芯や膿が残っていることがあり、再び炎症を起こす可能性も高いという困ったニキビです。

ところで、どうしてこんなニキビができてしまうのでしょうか。原因がわかれば対処法も見つかります。まずは、原因を見ていくことにしいましょう。

しこりニキビの原因は?

食生活の乱れ

通常のニキビもそうですが、しこりニキビの場合も、原因のひとつとして食生活の乱れが挙げられます。食事内容もそうですし、食事の時間帯も関係があります。もしも、しこりニキビができてしまったら、次の2つを振り返ってみましょう。

■食事内容

外食やインスタント食品、コンビニ弁当などの食事が続いてはいませんか? こうした食事は、野菜不足の脂質過多になりがちです。意外な落とし穴は、サラダのドレッシングです。野菜をたくさん食べているつもりでも、そこにドレッシングを大量にかけてしまうと、脂質の摂りすぎになってしまいます。

脂質が増えると皮脂の分泌量も増えます。すると当然、毛穴に皮脂が詰まりやすくなってしまいます。皮脂の詰まりはニキビのもとです。 もうひとつニキビによくないものとして「糖質」があります。これも皮脂の分泌を増やすもの。チョコレートやクリームたっぷりのケーキなどを食べすぎると、ニキビができやすくなってしまいます。

別の側面から見ると、野菜不足の脂質過多は、栄養のバランスが偏った状態ともいえます。栄養のバランスが偏ると、腸内のバランスも崩れてきます。善玉菌よりも悪玉菌を増え、悪玉菌が増えると便秘になり、便秘になると体内に毒素がたまり、その毒素がニキビのもとに…という嬉しくない循環が体の中で起こってしまうのです。

■食事の時間帯

食事内容だけではなく、食事の時間帯もニキビには影響します。夜、遅い時間帯の食事は消化機能に影響を及ぼし、ホルモンバランスを崩すなど体に不調をもたらします。この不調が、しこりニキビへとつながっていく可能性もないとは言えないのです。

生活リズムの乱れ

食生活が乱れているから、生活リズムが乱れているという方もいらっしゃるかもしれません。生活リズムの乱れは、ホルモンバランスの乱れを招きます。女性の場合、生理前になるとニキビができるという人も多いと思いますが、この原因は女性ホルモンのバランスが乱れること。体内には様々なホルモンがありますが、そのバランスが乱れると、ニキビができやすくなってしまいます。

ここで、生活リズムについてチェックしてみましょう。次のうち、ひとつでも当てはまるものがあったら、生活リズムが乱れているといえるかもしれません。

●いつも寝るのは日付けが変わってから。
●睡眠時間は6時間に満たないことがほとんど。
●食事は自炊ではなく、外食やインスタント食品、コンビニ弁当などが多い。
●飲み会が続いているまたは、毎日お酒を飲んでいる。
●運動不足である。
●かなりストレスがたまっている。

皮膚には再生される周期があります。ところが生活の乱れによりホルモンバランスが乱れると、この周期も乱れてしまうといいます。古い角質などがきれいにはがれず、肌に層としてたまっていってしまうのです。その層が毛穴などをふさぐと、皮膚の中に皮脂や老廃物がたまってしまいます。それが、ニキビやしこりニキビのもとになるのです。

血行不良や便秘

体の老廃物は、血液を通して、あるいは便となって体の外へ排出されていきます。ところが、排出の機能がうまく働かないと老廃物が体の中にたまり、その老廃物がニキビやしこりニキビのもととなってしまうことがあります。つまり、体質的に血行不良だったり便秘がちだったりすると、しこりニキビもできやすいということです。

老廃物が混ざった血液が体の中を巡るというのはあまり想像したくないことですが、皮膚の表面の皮脂だけではなく、体の内側から発生した老廃物もニキビの原因になるのですね。

血行不良も便秘も、食生活の乱れや生活の乱れと深く関わっています。つまり、ひとつひとつが独立した原因なのではなく、関連しあっているということ。ということは、しこりニキビをしっかり治すためには、治療もさることながら、生活自体を根本的に見直すことも大切ということです。次の項からは、その方法を具体的に見ていきましょう。

しこりニキビができてしまったら

食生活を見直そう!

原因のところでお伝えしたように、「脂質」と「糖質」は、ニキビをできやすくします。ですからまず、この2つを減らすことを意識しましょう。さらに、ニキビをできにくくするビタミンとミネラルを多く含んだ食品を摂るように心掛ければベストです。どんな食品を摂ったらよいのか、具体的に見ていきましょう。

■ビタミンA

ビタミンAは、肌がスムーズに再生することを助け、毛穴が詰まることを防ぐといわれている栄養素です。多く含まれていることで知られているのは、ニンジンです。その他、カボチャ、ホウレンソウ、レバーなどにも多く含まれています。

■ビタミンB2

ビタミンB2には、皮脂の分泌を整える働きがあるといわれています。また、炎症など肌のトラブルに効果的な栄養素としても知られています。レバーや卵のほか、焼き海苔にも含まれています。

■ビタミンB6

ビタミンB6は、肌や髪の毛などのもととなるタンパク質の代謝に不可欠な栄養素です。レバーやニンニク、バナナ、ピスタチオなどに多く含まれています。

■ビタミンC

ビタミンCは、コラーゲンを合成するために必要な栄養素です。肌にハリを与えてシミのもととなるメラニン色素の合成をおさえる、免疫力を高めるなど、健康な肌のために大切な働きをたくさんしてくれます。赤ピーマンなどの新鮮な野菜や果物にたくさん含まれています。

■ミネラル

たくさんの量を必要とはしませんが、肌のみならず体全体をスムーズに働かせるために欠かせない栄養素がミネラルです。魚介類、豆類、チーズなどの乳製品に多く含まれています。

食事は、これらの栄養素をバランスよく摂ることを意識していきましょう。難しく考えなくても、大丈夫です。単品よりは定食にする、単品の場合は野菜を一品追加する、なるべく油っぽくないメニューを選ぶといった工夫をすれば、十分に対処できます。ですが、食事だけではどうしても不足する栄養素があると感じた場合は、サプリメントで補ってもよいのではないでしょうか。

食事をする時間帯もできるだけ規則正しくできると、なおよいです。厳密に「お昼ご飯は12時に食べなければ!」などと決める必要はありませんが、気をつけたいのは夜です。できれば8時、遅くとも9時までには食事を終えたいところです。

間食をする場合は、ほどほどの量で。せっかく食事をバランスよくしても、間食で甘い物をドカ食いしてしまっては、努力が水の泡になってしまいます。また、1日を通して水分をたっぷり摂ることを心がけましょう。便秘解消にもつながりますし、体内の毒素を排出する働きもしてくれますよ。

生活リズムを見直そう!

しこりニキビにさよならするためにも、生活リズムを整えていきましょう。そうすれば、ホルモンバランスの乱れも解消されていくはずです。具体的には、次のようなことです。

■6~8時間の睡眠をとる

睡眠時間は、肌を再生するための大切な時間です。睡眠時間が少ないと、それだけ肌の再生にも影響が出るということです。できれば12時前には布団やベッドに入り、6~8時間の睡眠をとることをおすすめします。早く寝るというのはなかなか難しいことかもしれませんが、これを機会に習慣にしてみませんか?

■飲酒はほどほどにする

お酒を飲んでいると、ついついおつまみにも手が伸びてしまいます。おつまみには脂質や糖質が含まれるものが多くあります。また、どうしても寝る時間が遅くなりがちです。もちろん「飲むな」とは言いません。程よい量のお酒は体にとってはいい働きをするといいますから、飲むなら「ほどほどに」を心がけていきましょう。

■体を動かす

「何かの運動をしなければ」と考える必要はありません。エレベーターやエスカレーターを使う代わりに階段を使う、車を使う代わりに自転車に乗るといったことでOK。日常生活の中で体を動かせる場面を見付け、積極的に体を動かしていきましょう。体を動かすとホルモンバランスにもいい影響が出るようですよ。

■肌を清潔にする

体の中からの対策も大切ですが、外側からもしこりニキビにアプローチしていくことも大切です。洗顔の際は洗顔料をよくすすぎ、清潔なタオルで刺激しないように水分を拭きとってくださいね。実はシャンプー後のトリートメントやコンディショナーなども要注意です。わずかに残った成分がニキビの原因になることもありますので、すすぎは念入りにしましょう。

シーツや枕カバーなどの寝具もこまめに交換し、清潔を保つようにしましょう。せっかくきれいに顔を洗ったのですから、寝る場所もきれいがいちばんです。

ニキビをいじらないようにしよう!

皮膚の奥のほうで炎症を起こしているしこりニキビは、かなりデリケートな状態となっていますからいじるなどの刺激を与えないことが基本です。そもそも外からニキビの芯が見えないのですから、押し出そうとしても、出てきてくれません。

潰そうとしたり、押し出そうとしたりして皮膚に傷がつくと、そこから雑菌が入りこみかねません。すると、なおさら悪化させてしまうことに…。また、ヘタに皮膚に傷をつけると、跡になって残ってしまう可能性もあります。きれいに治すためにも、無理につぶそうとしたり、芯を押し出そうとしたりしないようにしましょう。

しこりニキビを市販薬で治療する

オロナイン

正式には「オロナインH軟膏」といいます。発売から60年以上の歴史を持ち、皮膚薬として愛用されてきました。主成分はすぐれた殺菌効果を持つクロルヘキシジングルコン酸塩液で、吹き出物、ニキビ、はたけ、軽いやけど、しもやけ、ひび、あかぎれ、切り傷など、幅広い効能がうたわれています。

殺菌効果があるのでニキビ治療にも効果があるとされていますが、ニキビの状態によって効果の出方は違いがあるようです。使う場合は、少量で様子を見てみましょう。つけ過ぎると毛穴をふさいでしまうことになりかねませんし、すりこむのも刺激になってしまいます。ニキビにちょこんと乗せる程度で試してみてくださいね。

クレアラシル

ニキビ治療薬といえば「クレアラシル」を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。10代から30代、40代に至るまで、幅広い年齢層に支持されています。

成分に、角質を軟らかくして皮脂を吸収し殺菌する作用のある硫黄と、アクネ菌といわれるニキビの菌を殺菌し、角質を軟らかくして除去、毛穴をきれいにする作用のあるレゾルジンを含んでいるのが特徴です。また、赤く腫れたニキビの炎症をおさえる効果もあるとされています。

ペアアクネクリームW

炎症を抑える成分と殺菌成分、Wの効果でニキビ治療ができるという薬です。初期のニキビから赤く腫れたニキビ、背中ニキビや大人のニキビまで、幅広いニキビに効果があるとされています。また、治療効果だけではなく予防効果もあるのだとか。

主成分はイブプロフェンピコノール(抗炎症)と、イソプロピルメチルフェノール(殺菌)。肌に塗ると透明になるため、メイクの邪魔にならずに使えるというメリットもあります。

しこりニキビを皮膚科専門医で治療する

レーザー治療

皮膚科でレーザー治療というと、シミ取りというイメージがあるかもしれませんが、ニキビ治療にも取り入れられています。しこりニキビのように皮膚の奥のほうにできてしまったニキビの膿や芯にあたる部分をレーザーで取り除きます。さらに、ニキビをできにくくする、ニキビ痕を目立たなくするという目的で行われることも多いようです。

ただし、レーザー治療に向かない人や受けられない人もいます。高血圧などで治療している場合、敏感肌である場合、妊娠もしくは妊娠の可能性がある場合などがそうです。いずれにしても、まずはしこりの状態やニキビの状態をよく診察してもらい、医師の判断に従ってくださいね。

ケミカルピーリング

ケミカルピーリングはニキビ治療にとても効果があるといわれています。フルーツ酸の働きで角質を軟らかくし、取り除いていきます。それにより毛穴の詰まりをなくし、ニキビが改善されるという治療法です。

治療のみならず予防効果もあるとされ、肌が生まれ変わるサイクルを正常に戻してくれるといいます。何回か施術を受ける必要がありますが、皮膚に傷をつけたりすることがないので、最近、人気の治療法のひとつとなっているようです。

面皰圧出(めんぽうあっしゅつ)

面皰圧出(めんぽうあっしゅつ)とは、ニキビ(毛穴)の中に詰まっている膿、皮脂、古い角質などを専用の器具を使って押し出して取り除く治療法です。どちらかというと、皮膚の浅いところにできた炎症を起こす前のニキビに向いているといわれていますが、医師の判断でしこりニキビの治療として行われることもあるようです。

治療の際は、小さな穴をあけて押し出します。こうしないと、ニキビ跡が残ってしまう危険性があるからです。自分の指で押し出すことは、雑菌を繁殖させて悪化させることも考えられますので、絶対にやめましょう。

小切開摘出

ニキビ跡が「粉瘤(ふんりゅう)」と呼ばれるものに変化してしまう場合があります。粉瘤というのは、皮膚の中に膿などの老廃物がたまる袋のようなものができてしまい、しこりのようにかたくなってしまう症状です。しこりニキビと区別がつけにくいのですが、日に日に大きくなっていくような場合は粉瘤を疑ってみてもよいかもしれません。

粉瘤を完全に治すためには、皮膚を切って老廃物がたまる袋のようなものを取り出すしかないといわれています。まずは一度医師の診察を受けてくださいね。

まとめ

皮膚の奥の方にできてしまったしこりニキビを治すためには、食生活や生活リズムを整えることが必要不可欠です。その上で治療薬などを使い、寝具も清潔にして、根気よく手当てをしていきましょう。

どうしても治らない場合、早く治したい場合は、皮膚科に出向くのが早道かもしれません。外用薬や内服薬、レーザー治療、ケミカルピーリングも含め、ぜひ相談してみてくださいね。1日も早く、しこりニキビとさよならできますように!