毎日、仕事に家事におわれて、忙しくてゆっくり食事をしている暇もない!まして栄養バランスを考えてお料理なんて、なかなか作れないし…そんなあなたのためのスーパーフード。それが、ナッツなのです。

「ナッツは体に良い。」とか、「美容に良い。」とか、最近よく耳にします。けれど、ひと言でナッツといっても、たくさん種類があって、どれを選んで食べればいいのか、どんな栄養があるのか、じっくり考えたことなんてあまりないのでは?

ナッツのすばらしい栄養とその効能を知って、納得して、安心してナッツを食べるために、これからじっくりお話ししていきましょう。

ナッツについて

通常、ナッツと呼ばれているのは、「木の実」のことで、堅果種子類に属します。つまり、果実の種の部分ですね。その種子の中身(胚・胚乳)を食べるということでしょうか。

ナッツが食用とされはじめたのは、古代にさかのぼると云われています。その頃は、保存食としてはもちろん、神事やお祭りなどのお供え物として、大切にされていました。

ナッツの栄養分の多くを占めるのは脂質です。脂質とひと言でいうと、カロリーのことが頭に浮かびますが、決してカロリー・イコール=・太るとは限らないようです。その他に含まれている栄養素としては、植物性たんぱく質やビタミンEなどのビタミン類、マグネシウムなどのミネラル類、食物繊維などがあげられます。

ナッツの脂肪

脂肪には、植物性脂肪と動物性脂肪があります。ナッツの脂肪は、植物性脂肪です。そして脂肪は、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸という2種類の脂肪酸に分かれます。

植物性脂肪には、不飽和脂肪酸が多く含まれています。ナッツの栄養素の中で、重要なのはこの脂肪です。ここを正しく理解していくことで、安心してナッツを食べることができると思います。

大切な脂肪のお話し

脂肪には、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸があります。そして不飽和脂肪酸は、単価不飽和脂肪酸と多価不飽和脂肪酸に分かれます。
それでは、順番に説明していきましょう。

飽和脂肪酸とは

飽和脂肪酸は、主に動物の脂肪に多く含まれています。
その代表は、パルミチン酸、ステアリン酸などで、バターや豚脂(ラード)、牛脂に含まれ、特にバターの油脂分の70%が飽和脂肪酸です。

また、植物性では、ココナツオイル、パームオイルに多く含まれています。

飽和脂肪酸を含む油脂は、常温において、柔らかい固まりになっているという特徴があります。
そしてその主な働きは、体内のエネルギー源となり、丈夫な身体を作るという重要な役割りをしているということです。

けれども過剰に摂取すると、エネルギーとして使われなかった脂肪酸が体内に蓄積されてしまい、カロリーオーバーによる、肥満の原因になりやすいともいわれています。

逆に不足すると、血管がもろくなってしまうなどの、さまざまな障害が出ることもあるということです。

飽和脂肪酸は、摂取量を控えすぎても、体に悪いということですね。

単価不飽和脂肪酸・オメガ9

不飽和脂肪酸の中の、単価不飽和脂肪酸・オメガ9の代表は、オレイン酸です。聞き慣れているオレイン酸ですが、動物性と植物性のどちらの油脂にも含まれています。

オリーブオイルやなたね油の主成分はこのオレイン酸です。
オレイン酸は、酸化しにくいという利点があります。オレイン酸には、高血圧、心臓疾患、動脈硬化、肥満などの、生活習慣病を改善したり、予防する作用があるといわれています。

また、胃酸の分泌を調整する作用、腸の運動を促す作用などもあるということです。

多価不飽和脂肪酸・オメガ6

多価不飽和脂肪酸の1つめ、オメガ6は、哺乳類の体内では作ることができないため、食べ物から摂らなくてはなりません。そのため、必須脂肪酸と呼ばれています。その代表がリノール酸です。

しかし、リノール酸は、さまざまな植物に含まれているため、特に心がけて摂らなくても体内で不足することはありません。大豆油、とうもろこし油、紅花油(サフラワーオイル)などに多く含まれています。

むしろ、現代人はこのリノール酸を摂りすぎている傾向にあるということがわかってきました。
摂りすぎることで、次に説明するオメガ3系の脂肪酸の大切な役割を妨げてしまうといわれています。

多価不飽和脂肪酸・オメガ3

近年、何かと話題になっているオメガ3脂肪酸も、必須脂肪酸です。

アルファリノレン酸、ドコサヘキサエン酸(DHA)、エイコサペンタエン酸(EPA)などです。

これらの脂肪酸は、他の脂肪酸に比べてとても少なく、そのため摂取量も不足しているといわれ問題になっています。バランスを保つためにも、積極的に摂らなくてはいけませんね。

オメガ3脂肪酸は、心臓病を防ぎ、知能の向上を助けて、頭の回転を良くする効果や、精神疾患にも良い働きが期待できると言われています。

オメガ3脂肪酸を多く含む食品は、鯖(さば)、鰯(いわし)、秋刀魚(さんま)などの青魚が有名ですね。また、アマニ油、エゴマ油、シソ油などの油脂にも含有量が多いということで、テレビなどで取り上げられた次の日には、スーパーの棚からすっかり消えてしまうほどの人気です。

ということで、脂肪酸の種類と役割を理解していただけたでしょうか?

それぞれのナッツの栄養と効能

それではこれから、さまざまな種類のナッツを、その栄養価と働きと共にご紹介していきましょう。

アーモンド

アーモンドの収穫は秋。その生産量のほとんどが、アメリカのカルフォルニア州です。そして、日本などへ輸出されます。世界中でもっとも多く利用されているナッツが、アーモンドだということです。

製菓用として、ローストしたり、砕いたり、スライスしたり、粉末やペースト状にして、さまざまな形に変化させ、利用されています。見た目の高級感から、トッピングやデコレーションに、粉末やペーストにして生地に加えることで、しっとり感やコクが生まれるので、お菓子作りにはかかせない材料となっていますね。

また、料理用にも、隠し味や仕上げ用などとして、さまざまなシーンで使われています。

アーモンドの成分は、不飽和脂肪酸と、カルシウム、鉄、マグネシウム、亜鉛などのミネラル、食物繊維、ビタミンEからなっています。

不飽和脂肪酸では、単価不飽和脂肪酸のオレイン酸が、70%とほとんどを占めています。オレイン酸の効能としては、悪玉コレステロールを抑制する働きがあります。
ビタミンEには、抗酸化作用があり、活性酸素を抑え、体内の細胞の老化防止する効果があるそうです。

アーモンドには、脳梗塞などの脳疾患、認知症の予防の効果があるとされています。

くるみ

くるみは、人類が食べ始めたナッツの中で、最も古い歴史があるといわれています。くるみの生産は、アメリカのカルフォルニア州と、中国が二大生産国となっています。日本へも両方の国から輸入されていますが、特にカルフォルニア産のくるみは、品質管理も良く、人気があります。

くるみも、アーモンドと共に、製菓、製パン材料や、料理用として幅広い用途があり、かかせない存在となっています。

くるみの成分は、そのほぼ70%が脂質です。残りの30パーセントは、たんぱく質、ビタミン、ミネラル、食物繊維と、ナッツの中でもダントツの、バランスの良い構成からできています。

注目すべきは、脂質の組み合わせです。不飽和脂肪酸の中でも、単価不飽和脂肪酸のオレイン酸、多価不飽和脂肪酸であり、必須脂肪酸のリノール酸、そして貴重なオメガ3のアルファリノレン酸が絶妙なバランスで含まれているということです。
なんと、くるみの中のアルファリノレン酸は、体内に入ると、青魚に含まれている、ドコサヘキサエン酸(DHA)と、エイコサペンタエン酸(EPA)に変化し同じ作用をすることがわかりました。

くるみの効能は、血管を強くして、動脈硬化などの心臓疾患を予防し、頭の回転を良くし、精神疾患にも良い働きをするようです。

血管を若返らせたい方や、青魚が苦手な方には、まさに救世主的な食べ物ですね。

マカダミアナッツ

マカダミアナッツは、オーストラリアが原産の木の実です。現在はハワイ島に移り、そのほとんどを栽培しています。ハワイのお土産といえば、マカダミアナッツチョコレートですよね♪しかし、ハワイで生産しているマカダミアナッツは、そのほとんどがチョコレートとして加工してしまうため、マカダミアナッツそのままの形としての輸出量は、原産国であるオーストラリア、南アフリカ、ケニアなどで生産したものが主流となっています。

丸くて、コロコロとかわいらしいその形状から、お菓子のトッピングなどとしても人気の高いナッツです。

マカダミアナッツの栄養成分は、ほとんどが油脂分からできています。その他、リン、カリウム、マグネシウムなどのミネラルが含まれています。

油脂分の約80%が、単価不飽和脂肪酸のオレイン酸であるため、高い抗酸化作用のある食用油として使われています。また、無味、無臭であることと、成分が人間の皮脂とよく似ていることから、化粧品用の油としても使われています。

ピスタチオ

ピスタチオは、地中海沿岸地方が原産とされています。その後ヨーロッパに渡り、永い年月を経て広まりました。現在の生産国は、ほとんどがイランで、次いでアメリカのカルフォルニア州、トルコ、シリアとなっています。

ピスタチオナッツの特徴でもある緑の色は、クロロフィルが含まれているためです。その緑色が濃く鮮やかであるほど、高価な商品とされています。日本でも、ピスタチオの人気はとても高くて、お菓子の材料としては定番ですが、値段が高いのでなかなか手が出せないというのは、私だけでしょうか?

お菓子の材料としてだけでなく、殻付きのままローストして軽く塩を振りかけて、そのままおつまみやおやつとして食べるのもおいしいですね。さすが、「ナッツの女王」といわれるだけありますね。

ピスタチオの栄養成分は、約60%が脂質からできています。食物繊維も多く、ビタミンB、カリウム、鉄などが含まれています。

脂質は、単価不飽和脂肪酸のオレイン酸と、多価不飽和脂肪酸であり、必須脂肪酸のリノール酸が大半を占めています。また、クロロフィルは、植物の光合成に必要な葉緑素のことで、コレステロールを下げる作用や、デトックス、抗酸化作用、動脈硬化の予防、免疫力向上などの効果が注目されています。やはり、植物の力はすごいですね!

ヘーゼルナッツ

ヘーゼルナッツは、トルコの北部が原産地で、現在も盛んに栽培されています。ひとつひとつがとても小さいヘーゼルナッツの実は、その姿からは想像もできない、ちからを秘めています。

栄養成分の構成は、脂質が70%を占めますが、その他の炭水化物、たんぱく質、食物繊維とのバランスに優れているため、グリセミック値がとても低く、血液中の糖の量を抑えることに一役買っています。

アーモンド、カシューナッツと並んで、世界三大ナッツといわれているヘーゼルナッツ。その脂質は、大半が単価不飽和脂肪酸のオレイン酸です。ビタミンEも多く、高脂血症、糖尿病、心臓疾患の予防に役立ちます。

※ グリセミック値とは、食品ごとの血糖値の上昇度をあらわす数値のことで、GI値とも表現されます。

カシューナッツ

カシューナッツは、南米のブラジルが原産です。現在の生産国は、インド、ブラジル、タンザニアなどですが、一度インドへ集めてから、脱穀して世界へ輸出しています。

カシューナッツは、他のナッツと比べて食感が柔らかく、ほのかな甘みがあるのが特徴です。ミックスナッツとしてそのまま食べたり、料理にも使われています。中華料理にはかかせない材料ですね。

栄養成分は、60%が脂質で、たんぱく質と糖質が多く含まれています。また、ビタミンB、マグネシウム、鉄、亜鉛などのミネラルも豊富です。脂質は、単価不飽和脂肪酸のオレイン酸が大半を占めています。

甘くて、柔らかいので食べやすいのですが、糖質が多いので、食べ過ぎには注意が必要ですね。

ピーカンナッツ

ピーカンナッツは、アメリカの中西部が原産国です。その色合いや形からも分かるように、くるみの仲間です。くるみよりもコクがあり、渋みが少ないので、くるみが苦手な人や、子供たちからの人気が高いナッツです。アメリカのお菓子には、よく使われている、定番の材料ですね。

栄養成分もくるみとよく似ています。約70%が脂質でできており、その他ビタミン類、ミネラル、食物繊維もほどよく含まれています。脂質は、大半が単価不飽和脂肪酸のオレイン酸です。そして、くるみと同じく、オメガ3のアルファリノレン酸が含まれています。

効能としては、くるみと同様に、血管の強化、心臓疾患の予防、知力向上などに効果があると言われています。

ピーナッツはナッツじゃない!?

ピーナッツも、もちろんナッツだと思いませんでしたか?実は、ピーナッツは木の実ではなく、マメ科の植物なんですね。落花生とも呼ばれています。でも、その栄養価は高く、チョコレートやクッキーなどの、お菓子の材料としてはもちろん、料理にも幅広く使われています。ついでなので、栄養成分も見てみましょう。

成分は、約50%が脂質でできています。ビタミンEが多く、食物繊維、ミネラルも含まれています。脂質は、単価不飽和脂肪酸のオレイン酸と、多価不飽和脂肪酸のリノール酸です。

効能としては、コレステロールを抑制し、血圧を下げる働きがありまそうです。また、茹でたピーナッツには、葉酸が多く、貧血予防、記憶力をアップさせてくれます。

なんだか、ナッツとあまり変わらないですね。

ッツは天然のサプリメント

ナッツの栄養と効能、そしてその大半を占める脂質について、理解していただけたでしょうか?

現代の食生活において、脂質の割合が大幅に、飽和脂肪酸に傾いてしまっていることで、さまざまな生活習慣病や、認知症、精神疾患などを引き起こしやすくなっています。そのバランスを整えるためにも、ナッツの不飽和脂肪酸は重要な役割りをはたしてくれると思います。

少し、毎日の食生活を見直して、動物性脂肪を減らし、その分ナッツを取り入れてみると良いのではないでしょうか。

ナッツの、1日の必要摂取量は、片手に一杯分(約30g)が目安です。
毎日の積み重ねが体を変えていきます。くれぐれも、摂りすぎには注意しましょうね。